お知らせ

2025.05.14
米国FDAからファストトラック指定を取得

当社は、開発中のKUS121について、米国食品医薬品局(FDA)より網膜動脈閉塞症(RAO: Retinal Artery Occlusion)を対象としたファストトラック(迅速審査)指定を取得したことをお知らせいたします。

ファストトラック指定は、重篤な疾患に対していまだ有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズを有する治療薬の開発および審査プロセスを迅速化するための制度です。この指定により、FDAとの定期的な対話、ローリングレビュー(※)、優先審査の対象となる可能性など、開発と承認プロセスの効率化が期待されます。
KUS121は、網膜動脈閉塞症に対する治療薬として開発を進めており、本指定の取得により、より迅速な患者さんへの提供が期待されます。
KUS121は2022年5月、既にFDAより希少疾病用医薬品としての指定を受けております。
現在、米国においてKUS121のRAOに対する臨床第II相試験を鋭意実施しています。また、日本国内においても臨床第III相試験を行うべく準備を進めております。

当社CEO武蔵は「網膜動脈閉塞症は確立された治療法の無い重篤な疾患です。KUS121は虚血再灌流障害を抑制することで、発症早期の網膜動脈閉塞症の網膜機能を残すことが可能と考えられます。光を失った患者に治療の機会を提供すべく、当社は今後も、医療ニーズの高い疾患に対し、有効な治療の選択肢を提供できるよう、開発を進めてまいります。」と述べております。

※)ローリングレビューとは、製薬会社が生物学的製剤承認申請(BLA)または新薬申請(NDA)の全セクションが完了するまで待ってから申請全体の審査を受けるのではなく、完了したセクションをFDAに提出して審査を受ける制度です。



▼KUS121について

KUS121 (Kyoto University Substances)は、バロシン含有タンパク質のATPase阻害剤であり、細胞内のATPレベルを制御し、細胞死を防ぐことができる新規の神経保護剤です。KUS121は、京都大学の研究者によって創製され、現在、網膜中心動脈閉塞症(CRAO)患者に対する新たな治療法として臨床試験が実施されています。CRAOは、重度かつ永続的な視力低下をもたらす眼科の急性疾患であり、現在、エビデンスに基づいた治療法は存在しません。日本国内で医師主導治験として実施された第I/II相試験では、KUS121の硝子体内注射が安全であるだけでなく、罹患患者の視力改善に有効であることが示されました。第II相GION試験(京都の祇園地区にちなむ)は、2024年初めに米国で開始されました。KUS121はCRAOのファースト・イン・クラスの治療薬となることが期待されています。



▼株式会社京都創薬研究所について

京都創薬研究所(KDDD)は、京都大学発の創薬ベンチャー企業です。垣塚彰名誉教授が創製した新規の神経保護治療薬(KUS121)を治療薬にすべく開発しています。KDDDは、難治性眼疾患、特に網膜動脈閉塞症(RAO)の患者に革新的な医薬品を提供することを目指しています。KUS121は眼科領域以外にも多くの適応症を持ちます。
詳しくは当社のウェブサイトをご覧ください。
https://www.kyoto-drug.com/

お問い合わせ先
株式会社京都創薬研究所
info@kyoto-drug.com