当社が開発中の KUS121(*2) は、2025年11月27日付で厚生労働省より網膜中心動脈閉塞症(CRAO)(*3)を対象とした希少疾病用医薬品として正式に指定されました。
本指定により、当社は試験研究に関する指導・助言、優先審査、助成金の交付や税制優遇措置など、日本における開発を力強く後押しする包括的な支援を受けることが可能になります。さらに、承認後には最長10年間の再審査期間が付与されるなど、実用化に向けた大きな加速が期待されます。
CRAOは網膜中心動脈の閉塞により、視力障害・視野障害をきたす疾患です。KUS121はVCPのATPaseを阻害することで、細胞内のATPの枯渇を抑制し、小胞体ストレスを軽減させ網膜細胞の細胞死を防ぐことが期待されています。
「今回、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けたことは、CRAO治療薬の実現に向けた極めて重要な一歩であり、大きな追い風です。本制度の支援を最大限活用し、日本における開発をさらに加速してまいります。」(武蔵国弘 代表取締役CEO・眼科医)
(*1)希少疾病用医薬品:希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品は、医薬品医療機器法第77条の2に基づき、対象患者数が本邦において5万人未満であること、医療上特にその必要性が高いものなどの条件に合致するものとして、薬事審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が指定するもの。
(*2)KUS121:バロシン含有タンパク(VCP)のATP加水分解酵素(ATPase)活性に対する阻害剤として、京都大学で開発された新規化合物である。VCPはATPase associated with diverse cellular activities(AAA)ファミリーに属するATPaseの一つで、細胞が異常たんぱく質の蓄積や酸化ストレスに遭遇した時、それらに対してストレス応答を引き起こす過程で重要な働きを担うとされており、網膜を含む体内のあらゆる細胞に発現している。当社は治療法のない疾患に対して新しい作用機序をもつ細胞保護剤として、KUS121の開発を意欲的に進めている。
(*3)網膜中心動脈閉塞症(CRAO):網膜中心動脈閉塞症とは、網膜疾患の一種で、網膜にある神経細胞に酸素を運ぶ網膜中心動脈が塞栓することで発症する。網膜への酸素供給が不足すると、酸素消費量の多い網膜神経節細胞の機能不全から視力障害・視野障害が起こり、網膜神経節細胞の細胞死によりその障害は永続する。現在、有効とされる標準治療はない。
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