お知らせ

2022.05.06 米国FDAからのオーファンドラック指定(*1)取得

当社は開発中のKUS121(*2)について、2022年5月3日付で米国医薬食品局(FDA)より網膜動脈閉塞症 (RAO)(*3)を適応にオーファンドラッグ指定を取得したことをお知らせいたします。本指定により、米国で7年間の排他的先発販売権が付与されるほか、臨床研究費用の税額控除、申請費用の一部免除などの優遇処置が受けられます。

RAOは網膜動脈の閉塞により、視力障害・視野障害をきたす疾患である。KUS121はVCPのATPaseを阻害することで、細胞内のATPの枯渇を抑制し、小胞体ストレスを軽減させ網膜細胞の細胞死を防ぐことが期待されている。

「FDAからオーファンドラッグの指定を受けた事は、RAO治療薬開発において大変大きなアドバンテージです。我々は、この支援を受けて治療薬開発を加速させたい。」(武蔵国弘 代表取締役CEO・眼科医)

(*1)オーファンドラッグ指定:医療上の必要性が高いのにもかかわらず、患者数が少なく開発促進が困難である疾患を対象とした医薬品に対し、開発促進の支援を目的として指定される。指定の条件や支援内容は国によって異なり、米国(FDA)の場合は、米国内の患者数が20万人未満の希少疾患に対する新薬等が対象となる。

(*2)KUS121:バロシン含有タンパク(VCP)のATP加水分解酵素(ATPase)活性に対する阻害剤として、京都大学で開発された新規化合物である。VCPはATPase associated with diverse cellular activities(AAA)ファミリーに属するATPaseの一つで、細胞が異常たんぱく質の蓄積や酸化ストレスに遭遇した時、それらに対してストレス応答を引き起こす過程で重要な働きを担うとされており、網膜を含む体内のあらゆる細胞に発現している。当社は治療法のない疾患に対して新しい作用機序をもつ細胞保護剤として、KUS121の開発を意欲的に進めている。

(*3)網膜動脈閉塞症(RAO):網膜動脈閉塞症とは、網膜疾患の一種で、網膜にある神経細部に酸素を運ぶ網膜動脈が塞栓することで発症する。網膜への酸素供給が不足すると、酸素消費量の多い網膜神経節細胞の機能不全から視力障害・視野障害が起こり、網膜神経節細胞の細胞死によりその障害は永続する。RAOは網膜動脈の閉塞部位により網膜中心動脈閉塞症(CRAO)と網膜分枝動脈閉塞症(BRAO)に分類される。
現在、有効とされる標準治療はない。